実践的な記憶法

実践的な記憶法

記憶術をもちいて大切な数字を整理しておく

大手ネット通販を利用するとき、必ずといっていいほど、自身が登録したIDパスワードを求めてくる。本人であることを確認しなければ、トラブルにつながるからだ。セキュリティの問題もかかわってくる。
とはいうものの、キャッシュカードと同じ番号なら覚えていられるが、6ケタや8ケタにもなると思い出せないときがある。
問題は、数字を暗記する方法だ。
ここでオヤジたちの強い味方を紹介しよう。オヤジの大好きなダジャレやゴロあわせだ。これは記憶術に応用できる。
数字を覚えるときに大きな壁となるのは、数字単体には意味がないということ。数字はそもそも純粋な記号だから、そこに何かの意味を見出すのは、数字を使う側の問題。脳は、興味のないものや意味のないもの、刺激のないものを覚えないという性質をもっている。
そこで、脳に刺激を与え、記憶として刻み込むために、数字を組み込んだ意味のあるフレーズとしてパックで覚えておくことをすすめたい。
たとえば「売上高810億9174万円」と「経常利益37億5921万円」という数字を記憶しておく必要に迫られたとしよう。前者は「売上高810(やっと)9174(悔いなし)」、後者は「37(みんなで)、5921(豪華にいこう)経常利益」といったように、音(おと)に変換すれば、簡単に覚えられる。
そう、数字は映像で覚えておくことが難しいので、音で記憶しておくのだ。
仕事で「数字に強くなる」ために、おおいに活用したいのが、このようなダジャレやゴロあわせ記憶術だ。
ある本では、これを「数字変換法」と記している。連結力や連想力をもちいた、れっきとした記憶法だったのだ。仕事に必要な数値を事前に整理しておく必要があることから、整理術ともいえる。ここで大切なのは、単に数字を覚えるという行為ではなく、意味をもたせた数字をいつでもとりだせるように整理しておくことだ。
では、仕事の場で以前名刺交換した相手の社名や氏名がすぐに出てこない、という状況にはどのように対処すればよいのか。つまり、相手の顔や姿は映像情報で覚えているが、固有名詞が出てこないというケースだ。
こんなときはあらためて名前を聞き直すのは失礼なので、次のような方法で覚えておき、記憶の「データベース」にアクセスするしか術はない。

■視覚で覚える。相手の顔やアクション、ヘアスタイルなどの特徴を視覚で記憶する。
■ストーリー仕立てで覚える。出会った場所から話した内容、社名や氏名までひとつの物語として整理しておく。
■連想して覚える。相手の名前や顔を動物や有名人に結びつけて覚えておく。たとえば色白で人懐っこい顔の人なら「パンダの○○さん」と記憶しておく。
■頭文字で覚えておく。黒川さんを「K川さん」、佐々木さんを「S木さん」と記憶しておく。

と、これも立ち読みした記憶術の本に書いてあったことばかりだ。
このように誰かに言葉で伝えることも、ある意味では記憶術なのかもしれない。なぜなら、伝えた本人は忘れていても、相手が内容を覚えていてくれさえすれば、困ったときに相手に電話して聞きだすことができるからだ。
「あの、以前、俺、オリジナルの記憶法を君にしゃべったと思うけど、どんな内容だったっけ?」と、聞けばいいのだ。この方法は、相手の脳に「メモ」した、とも解釈できる。自身のハードディスクが小さいと自覚している人は、知人の脳を「外付けハードディスク」のように使うのも、ひとつの方法だろう。
もちろん、最良の方法は、このように考えたこと、記憶しておきたいことを、その日のうちにテキストにしてまとめておくことだ。そしてパソコンに保存しておくか、プリントしてファイルにまとめておくことをおすすめする。
そのテキストを定期的に読み返すことで、これまでにどんなことを考えていたのか、いつでも思い出せるのだ。書いたときの記憶がよみがえってくるかもしれない。
これはメモでも日記でも問題ない。つまり、読み返すことのできるメディアであれば、機能するということだ。ただし、メモに記したという行為だけは、つねに忘れないように記憶しておかねばならない。もちろん、どこに記したのかは覚えておかねばならない。
これが最近とくに記憶力が衰えてきた筆者の、赤裸々かつ実践的な記憶法だ。